腹筋のトレーニングといっても、クランチやシットアップなど他にも数多くのトレーニング方法があります。負荷の設定によってはその動作も難しかったり、方法が難しかったり、いろんな問題があります。マシンを使うことで、負荷設定がしやすく、動作も簡単に行えます。今回は、アブドミナルクランチを解説していきます。
アブドミナルクランチで鍛えられる部位は?

腹直筋をメインで鍛えられます。股関節を曲げる様に力をいれる為、腸腰筋も補助的に使われます。
腹直筋
腹直筋は、体を起こす時などに働きますが、それ以外にも、姿勢を保持する時にも働きます。綺麗な姿勢保持するのに大切な筋肉だと言えます。
アブドミナルクランチを行うメリットは

重量設定が簡単にできる
シットアップやクランチなどでは、負荷設定が難しく、的確に負荷をかけるのは難しかったりします。アブドミナルクランチは、重量設定できるので、体外から重さを加える事ができ、負荷調整しやすいのがメリットです。
エキセントリックの動きをより意識できる
また、筋トレにおいて、さらに効かせたい場合、「戻す」ことに重点を起きます。なぜかというと、戻すのには筋肉を遠心性収縮(引き延ばされながら収縮する)させます。求心性収縮(縮む)より負荷を強め、筋肉痛を起こしやすくなります。マシンを使うことで操作性が上がり、動作をしやすくなります。
アブドミナルクランチ
マシンの扱い方としては、シンプルです。動作としては、私の主観だと腹部を潰すというより丸め込むような印象の方が、腹部に力が入りやすいので意識しましょう。
アブドミナルクランチのやり方
- シートに深く座る
- 固定をしっかり行う
- 腹筋する
- 戻す時に最後背中を逸らさない、姿勢を伸ばした位置をゴールとして、止める
アブドミナルクランチを行う時の注意点

上でも記載した様に、運動開始から終わりまでのポジションが大切です。
ゆっくり曲げていき、力が抜けるところまで背中を逸らし伸ばすのではなく、姿勢を伸ばしたところで腹部に力が入るところまでを注意しながら行いましょう。
クランチのバリエーション(主に腹直筋を鍛えたい場合)

腹筋は主に腹直筋・腹斜筋・腹横筋の三つの筋肉でできており、クランチのバリエーションを変えることでお腹全体をバランスよく鍛える事ができます。
リバース・クランチ
リバース・クランチは通常のクランチとは逆に、両膝を胸に近づけることによって腹直筋を鍛える種目です。一般的なクランチでは腹直筋の中で比較的上部が鍛えられるのに対し、リバースクランチは腹直筋下部を特に鍛えることができます。大胸筋や三角筋をさらに細かく分けてトレーニングする方は多いですが、慣れてきたら腹直筋も上下に分けてトレーニングしていきましょう。
リバースクランチの方法と注意点
リバースクランチのやり方
- 仰向けに寝転がり、手は頭の後ろで組みます。
- 両足をくっつけて持ち上げ、膝を90度ほどに曲げます。
- 曲げている角度をキープしたまま膝を胸に近づけます。
- 腰が上がらないギリギリのところで停止します。
- 元の体勢に戻ります。
- これを繰り返します。
リバースクランチの注意点
- 常に両足は離さないようにしましょう。
- 腰が上がらないように注意しましょう。
- 腹筋に効くようにお腹に力を入れて行いましょう。
ケーブルクランチ
ケーブルマシンを利用して腹直筋上部にかなりの負荷を与えるトレーニングで、特に追い込みで使用されます。ピンポイントで強烈に腹直筋を鍛えることができるので、上級者の方におすすめのトレーニングです。
ケーブルクランチのやり方
- 両膝をつき、高めにセットしたケーブルを握ります。
- 両脇を締めます。
- 背中を丸めながらケーブルを引き下げます。
- 元の位置に戻ります。
- これを繰り返します。
ケーブルクランチの注意点
- マシンから0.5〜1.0mほど離れて行いましょう。
- 腕を動かすのではなく、頭から上半身全体を丸めるように動きましょう。
- 膝の角度は60〜75度程度にキープし、下半身が動かないようにしましょう。
バランスボール・クランチ
初心者からも気軽に取り組めるのがこのバランスボール・クランチです。ボディビルダー・トレーニング指導者の山本義徳氏は、バランスボール・クランチこそがもっとも効果的なクランチと述べています。
その理由として彼は腹直筋の可動域が前方に25度、後方に35度であり、床で行う腹筋トレーニングでは十分に可動域を活用できていないことを挙げています。対してバランスボール・クランチは上体をそらした状態で動作をはじめることで前後の可動域をフルに使うことができるため、効果的に腹直筋鍛えることができるというのです。
(参考:山本義徳(2017) 『部位別トレーニング法 -胸と背中、腹編-: 山本義徳 業績集 10』)
クランチのバリエーション(主に腹斜筋を鍛えたい場合)

以下では、腹斜筋に強い刺激を与えるクランチのバリエーションを解説します。
腹直筋のサイドの腹斜筋を鍛えると腹直筋の横に筋が入り、腹筋全体の見栄えが良くなります。しかし冒頭で解説した通り、腹斜筋を鍛えることがくびれに直結するかというと、そういうことではありません。くびれを作る際に何よりも大事なのはやはり食事管理によって脂肪を落とすことです。腹斜筋のトレーニングはあくまで補助と考えましょう。
サイドクランチ
腹斜筋を鍛えたい初心者の方におすすめなのがこのサイドクランチです。動きは地味ですが、確実に負荷を与えることができます。
サイドクランチのやり方・注意点
サイドクランチのやり方
- 横向きに寝転がり、90度程に曲げた両膝を前方に出します。
- 床側の手を天井側の脇腹に、もう片方の手は頭の後ろに当てます。
- 背骨を曲げるように上半身を起こします。
- 起こし切った位置で少しの間キープします。
- 元の体勢に戻ります。
- これを繰り返します。
サイドクランチの注意点
- 脇腹に当てた手で腹斜筋の収縮を意識しましょう。
- 上体を持ち上げるときに息を吐き、戻すときに吸いましょう。
- 上体は可能な限りゆっくり戻しましょう。
まとめ

マシンを使うことで、負荷設定をしやすくし、どのようにすれば効率的に行えるか。とても重要なことです。シンプルに目的としているところに負荷を与える。それが大切なことで、マシンを動かしていれば使っている様な感じがしますが、トレーニングとして効果を出すためには、上の様な事が大切です。自分の目的のために、最適に行いましょう。
参考文献